何時ごろからか。
私のことを、アニメキャラクターの名前で呼ぶクラスメートがいた。
そのキャラクターは、その番組自体見ていなかったから詳しくは分からない。
が、善人でおおらかで優しい、他人の迷惑になるようなことを決してしないキャラクターとは程遠かったことだけは記憶にある。
(以降、キャラクター名 R とする)
1
この小学校は五、六年生がトイレ掃除をする。どうしてかそう決まっていた。
全員清掃、当番制。
そして、私のトイレ掃除の週の事だった。
班員は五人か四人だったと思う。その中に、女子の中でリーダー的存在となる彼女(以降Eちゃん)がいた。
Eちゃんとは、彼女が一、二の時に転校してきて以来、あわないタイプだった。
実際、彼女も好いてはいなかっただろう。
何度か子供じみた嫌がらせはあった。
何が気に入らないのか。ほっといて、関わらないで。私にとってその人はそんな人だった。
そのEちゃんと、五年生の時に初めて同じクラスになった男子の中でリーダー的存在の人物(以降H君)がEちゃんと仲がよかったことも、発展してしまった原因の一つだろう。
H君登場はまだ後のこと。
当番の女子トイレ。
注意事項など、ポスターを貼るのが通例で。
例に漏れることなく貼った。
ポスターを作ったのはEちゃんたちで、私はノータッチ。
でも、掃除当番。と言うことで全員の名前が書かれた。
そのポスターの制作の名前に。私の名前がなくて“R”と書かれていた。
既に、私のことをRと呼ぶ人はいたが、認めたくなくて、無視していた。
2
気にしなければ、それで終わる、と。
そう思っていたからだ。
実際は、認める事が怖かったのかもしれない。
認めてしまったら、負けてしまったことになる。
何故か、そう感じて。
で、ずるがしこい? のか。
先生に言って、訂正してもらいました。
本当、その時はそれで終わると思っていた。
思い込もうとしていただけなのかは、もう、忘れた。
3
R。
そう呼ばれるようになったのは、最初の理科室掃除の週からかもしれない。
誰かが休みで五人の班なのに四人で掃除した月曜日。
ただ、モップをかければ掃除は終了。
とっとと終わらせればいいものを・・・。
その人たちは、棒アニメキャラクター(R登場)の名前をつけて、「おにごっこ」をしだしたのだ。
名前をつける理由、不明。
遊びながら掃除が出来るから、掃除をサボっていることにはならないらしい。
五年生にもなって掃除がまともに出来ないとは・・。
モップかけながら走り回るなんて、掃除になるか!!
っと、一日目は参加したものの、次の日に、休んでいた誰かも仲間入りした時に、抜けると告げた。
それで、その一週間が終われば終わるはずだったのだ。
なのに・・。
現実には、それだけ残って。
私は認めず、何ヶ月かあとの席替え後のトイレ掃除へと続いたのだった。
平成十八年 六月 十九日 月曜日
第ニ話 〜発覚・呼び名〜 完!
第三話 〜掃除〜(仮) へ続く。